予防接種の基本
そもそも予防接種って何?
予防接種は、重症化しやすい病気にかからないようにするために受けるものです。病気の病原体の毒性を人工的に弱めたワクチンを体内に入れることを予防接種と言います。
ワクチンを体内に入れるということは、その病気の軽い感染状態を人工的に起すということになります。病気の感染状態になることで、体は病気に対する免疫を作ります。体が病原菌と戦うことで免疫ができるのですが、この時に接種部分が腫れたり発熱の症状がでることがあり、これを副反応と呼びます。死亡に至ような副反応が出ることは極めて稀なことです。免疫が作られると、病気にかからなくなったり、病気にかかっても軽い症状で済ませることができます。ここまでが、予防接種の主な役割です。
もうひとつ、予防接種には重要な役割があります。
多くの人が予防接種を受けることで病気の流行を抑えることができるのです。死亡率の高さで知られる天然痘は、1980年にWHOの世界根絶宣言が出され過去の病気になりました。これは、天然痘の予防接種が広まった成果の賜物です。
このように、予防接種には社会全体を病気から守る役割があることを知っておきましょう。
ただし、最終的に予防接種を受けるかどうかを判断するのは保護者であるあなたです。予防接種を受けているからといって100%病気を予防できるわけではないこと、予防接種には稀に副反応(副作用や後遺症なども)が出ることがあることを知った上で判断する責任があります。
予防接種の受け方と当日の流れを知っておこう
赤ちゃんが受ける予防接種には、自治体が日程を定め健康センターなどの会場で受ける集団接種と、自治体が指定している小児科で予約を取ってから受ける個別接種があります。それぞれの予防接種の受け方と当日の流れを知っておきましょう。
集団接種の受け方
1.受付母子手帳と予診票を提出し、名前が呼ばれるまで待合室で待機します。この時にグループ分けをされ、グループごとに予防接種を受ける自治体もあります。
2.問診と検温
赤ちゃんが予防接種を受けられる状態かどうかを医師が判断します。私の自治体では、検温をした後に食欲や便の状態を聞かれ、出生の時の体重や分娩の経過なども聞かれました。
自治体によっては、この時に身体測定などの健診を行うこともあるそうです。
3.接種
いよいよ予防接種です。BCGの場合は接種後15分ほど乾くまでそのままにしておきます。服を着せたり、擦ったりしないように注意しましょう。
個別接種の受け方
1.受付小児科に予約を入れ、当日に受付で予診票を記入します。自治体によっては、先に予診票が配られるので記入して持参します。
2.問診
当日までの赤ちゃんの様子を聞かれ、聴診器で胸の音を聞いたりのどの奥を見たりの体調チェックがされます。この時に希望であれば、定期健診を一緒に受けることが出来るので予約の際に申し出ると良いでしょう。
3.接種
医師から予防接種の内容が説明されます。その後、予防接種の同意書にサインをします。同意書のサインは、最終確認をしましたという証になりますから、質問や疑問がある時にはサインをする前に尋ねるようにしましょう。サインが済んだら接種をします。
予防接種の前後に注意すること
予防接種の前後で注意することについてお話します。いつもと様子が違うなと感じたときは受診し、医師の指示を仰いでください。
予防接種の前に注意すること
・当日の食事飲食は早めに済ませておくと安心です。出かける前に時間の余裕を持つ意味もありますが、問診でのどの奥を見る時に、赤ちゃんが食べた物を吐かないようにしてあげましょう。
・検温と便のチェック
予防接種の2~3日前から検温と便のチェックで赤ちゃんの体調管理をしましょう。予防接種当日は会場でも検温をしますが、朝家でも検温をして異常がないか確認します。ポリオは下痢の時に接種することができません。
・予診票の記入
混雑する会場で慌てて予診票を記入することがないように自宅で記入しましょう。予防接種の会場で育児相談を同時に受け付けている時は、別紙に気になっていることをまとめてメモしておくとスムーズです。
・持ち物の確認
出かける前に忘れ物がないか確認しておきましょう。母子手帳を忘れると予防接種を受けることが出来ません。オムツやミルクといった必需品の他に、さっと羽織ることができる上着やひざ掛けがあると安心です。
予防接種の後に注意すること
・接種後はすぐに帰らない予防接種を受けたあと赤ちゃんの体調が急変しないか観察します。概ね30分ほど会場で待機することになります。
・発熱がないか
帰宅後に発熱することがありますがいつもと変わらない様子ならほとんど心配ないそうです。発熱と同時に激しい嘔吐やぐったりしている様子がある場合は受診してください。
・当日の入浴はOK
・激しい運動は控えて
予防接種後は、赤ちゃんが疲れたり興奮したりしないように自宅すごしましょう。
海外旅行と予防接種
海外旅行や海外への転勤などで、子供に予防接種を受けさせた方が良い場合があります。
現在WHOが世界的に子供にすすめている予防接種(BCG・ポリオ・三種混合DPT・麻疹)は、日本では定期接種に組み込まれています。ですから、基本的に海外へ行くときに予防接種を受ける必要はないと考えられます。
ただし、日本は欧米諸国と比べると予防接種の種類がとても少ないので、渡航先で流行している病気にかかってしまう可能性があります。
アフリカの一部の地域では、黄熱ワクチンの接種証明書がないと入国できません。現在日本では発生していない狂犬病ですが、アジア・アフリカ・中南米ではまだ発生している病気です。2005年に定期接種から実質外されている日本脳炎も、中国・インド・東南アジアで発生しています。
心配な場合はかかりつけの先生や、渡航先の大使館へ相談してみましょう。渡航先でどんな病気が流行しているか情報を集めることも大切です。
予防接種の内容によっては、複数回の接種が必要になります。海外へ行くことが決まったら、はやめに予防接種のスケジュールを立てましょう。
詳しくは、厚生労働省検疫所の海外渡航と予防接種のページ(http://www.forth.go.jp/tourist/useful/02_tokou_yobou.html)に記載されているので参照してください。


